外注費の仕訳と源泉徴収|フリーランスが外注するときの注意点
事業が成長してくると、デザインやライティング、プログラミングなどを他のフリーランスに外注する機会が増えてきます。
外注費の仕訳自体はシンプルですが、源泉徴収が必要なケース、消費税の処理、給与との違いなど、注意すべきポイントがいくつかあります。
この記事では、フリーランスが外注するときの仕訳方法と注意点を解説します。
外注費とは
外注費とは、業務の一部を外部の個人や法人に委託したときに発生する費用です。「業務委託費」と呼ぶこともあります。
フリーランスがよく使う外注の例は以下のとおりです。
- Webデザインの外注
- 記事ライティングの外注
- プログラミング・コーディングの外注
- イラスト・動画制作の外注
- 税理士・弁護士・社労士への報酬
- 翻訳・通訳の依頼
これらはすべて外注費(または支払報酬)として経費にできます。
外注費の基本的な仕訳
法人への外注(源泉徴収なし)
デザイン会社に50,000円(税込55,000円)を支払った場合。
| 日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | |------|------|------|------|------| | 3/15 | 外注費 | 55,000円 | 普通預金 | 55,000円 |
法人への支払いは原則として源泉徴収が不要です。請求書どおりの金額を支払えばOKです。
個人への外注(源泉徴収が必要なケース)
個人のデザイナーに100,000円(税抜)を支払い、源泉徴収する場合。
源泉徴収税額:100,000円 × 10.21% = 10,210円
| 日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | |------|------|------|------|------| | 3/15 | 外注費 | 110,000円 | 普通預金 | 99,790円 | | | | | 預り金 | 10,210円 |
※ 110,000円は税込金額(100,000円 + 消費税10,000円)
源泉徴収した10,210円は、翌月10日までに税務署に納付します。
源泉徴収が必要なケース
フリーランスが他の個人に支払う報酬のうち、源泉徴収が必要なのは以下の8種類です。
- 原稿料・講演料
- デザイン料
- 翻訳料
- 弁護士・税理士・社労士等への報酬
- 司法書士への報酬
- 外交員報酬
- ホステス報酬
- プロスポーツ選手等への報酬
注意すべきは、プログラミングやコンサルティングは原則として源泉徴収の対象外ということです。
ただし、実際の業務内容が上記に該当するかどうかの判断が難しいケースもあります。迷ったら税理士に確認するのが確実です。
源泉徴収の計算方法
源泉徴収税率は報酬額によって異なります。
- 100万円以下:報酬額 × 10.21%
- 100万円超:(報酬額 − 100万円)× 20.42% + 102,100円
消費税の扱いについて注意点があります。請求書に消費税額が明記されている場合は、税抜金額に対して源泉徴収税率を掛けます。消費税額が明記されていない場合は、税込金額に対して掛けます。
外注費と給与の違い
外注費と給与は税務上まったく異なる扱いです。誤って給与とみなされると、社会保険料や消費税の処理に影響が出ます。
外注費として認められるための条件は以下のとおりです。
| 判断基準 | 外注費 | 給与 | |----------|--------|------| | 指揮命令 | 業務の進め方は受注者が決める | 発注者が指示・管理する | | 時間の拘束 | 納期のみ指定 | 勤務時間を指定 | | 代替性 | 他の人が作業してもよい | 本人が作業する必要がある | | 機材・道具 | 受注者が自分のものを使う | 発注者が提供する | | 報酬の計算 | 成果物に対して支払い | 時間に対して支払い |
つまり「何時から何時まで作業してください」「このパソコンを使ってください」「必ず本人が作業してください」という条件が多いと、給与とみなされるリスクがあります。
外注時の契約書は必要か
結論から言うと、契約書は作成しておくべきです。
口頭やチャットのやり取りだけでも法律上は契約として成立しますが、税務調査の際に「外注であること」を証明するには書面があると有利です。
最低限、以下の内容を明記しましょう。
- 業務内容
- 報酬金額
- 納期
- 成果物の権利帰属
- 源泉徴収の有無
簡易的なものでも構いません。メールやチャットで上記の内容を確認した記録があればOKです。
freeeでの外注費の処理
freeeで外注費を処理するときのポイントです。
1. 勘定科目は「外注費」を使う freeeにはデフォルトで「外注費」の勘定科目があります。税理士報酬は「支払報酬」を使うこともあります。
2. 源泉徴収の登録 源泉徴収が必要な場合、freeeの取引登録で「源泉徴収税額」を入力する欄があります。ここに金額を入力すると、預り金として自動で仕訳されます。
3. 支払調書の作成 年間5万円以上の報酬を個人に支払った場合、翌年1月に「支払調書」を作成する義務があります。freeeには支払調書の作成機能があるので、取引先ごとに外注費を管理しておきましょう。
4. インボイス番号の確認 インボイス制度により、適格請求書発行事業者でない個人への支払いは、消費税の仕入税額控除ができない場合があります。請求書にインボイス番号が記載されているか確認しましょう。
まとめ
- 外注費は業務委託にかかる経費。法人・個人どちらへの支払いもOK
- 個人への支払いで源泉徴収が必要なケースがある(デザイン料、原稿料など)
- 外注費と給与の区別は「指揮命令関係」がポイント
- 簡易的でも契約内容を書面で残しておく
- freeeの源泉徴収入力欄を活用する
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