法人の会計ルール基礎|個人事業との違い
法人の会計は個人事業主と大きく異なります
個人事業主から法人化すると、会計ルールが変わります。決算書の種類、経費の範囲、税率など、知っておくべき違いを解説します。
最大の違い:法人と個人は別人格
法人化すると、「自分のお金」と「会社のお金」が完全に分離されます。
- 法人のお金を個人的に使う → 役員貸付金(問題になる)
- 個人のお金を法人に貸す → 役員借入金
- 法人から個人への支払い → 役員報酬(事前に金額を決める)
個人事業主の「事業主貸・事業主借」のような自由な資金移動はできません。
決算書の違い
| 項目 | 個人事業主 | 法人 | |------|----------|------| | 主な決算書 | 青色申告決算書 | 貸借対照表+損益計算書+株主資本等変動計算書 | | 申告書 | 確定申告書B | 法人税申告書(別表多数) | | 申告期限 | 翌年3月15日 | 事業年度終了後2ヶ月以内 | | 作成難易度 | 比較的簡単 | 複雑(税理士推奨) |
法人税申告書には「別表」と呼ばれる明細書が多数あり、個人の確定申告よりはるかに複雑です。
税率の違い
個人事業主(所得税): 累進課税で5%〜45%。所得が多いほど税率が上がります。
法人(法人税):
- 年間所得800万円以下:15%
- 年間所得800万円超:23.2%
法人税は実効税率で約30%前後(法人税+法人住民税+法人事業税)です。所得が高い場合は法人の方が有利になります。
経費の違い
法人にしかできない経費
1. 役員報酬 社長(代表取締役)に給与を支払い、法人の経費にできます。個人事業主は自分に給与を払えません。
2. 退職金 役員退職金を積み立てて経費にできます。退職金は受け取る側の税金も優遇されています。
3. 社宅 法人が社宅を借りて役員に貸す場合、家賃の一定割合を法人の経費にできます。
4. 出張旅費日当 役員の出張に日当を支給でき、法人の経費になります。受け取る側は非課税です。
法人で注意が必要な経費
交際費 法人の交際費は一定額まで経費にできます。
- 資本金1億円以下:年間800万円まで全額 or 接待飲食費の50%
役員報酬の制約 役員報酬は原則として「定期同額」でなければなりません。年度途中で自由に変更できません。変更できるのは事業年度開始から3ヶ月以内です。
赤字の繰越期間
| | 個人事業主 | 法人 | |--|----------|------| | 繰越期間 | 3年間 | 10年間 |
法人は赤字(欠損金)を10年間繰り越せます。個人事業主は3年間です。
消費税の違い
基本的なルールは同じですが、法人設立時の免税期間が異なります。
- 資本金1,000万円未満:最初の2事業年度は免税
- 資本金1,000万円以上:設立初年度から課税
会計ソフトの切り替え
個人事業主でfreeeを使っていた場合、法人化すると「freee会計 法人版」に切り替えます。個人版のデータを引き継ぐことも可能です。
まとめ
法人の会計は個人事業主より複雑ですが、経費の幅が広がり、税率面での優遇もあります。法人税申告は税理士に依頼し、日々の記帳はクラウド会計で効率化しましょう。
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