個人事業主と法人どっちがいい?売上別の判断基準
結論:売上800〜1,000万円を超えたら法人化を検討
一般的な目安として、年間の事業所得が800万円を超えてきたら法人化のメリットが大きくなります。ただし、売上だけでなく事業の状況やライフプランによっても判断は変わります。
個人事業主と法人の違い一覧
| 項目 | 個人事業主 | 法人(合同会社・株式会社) | |------|-----------|----------------------| | 設立費用 | 0円(開業届のみ) | 6万円〜25万円 | | 税率 | 所得税5〜45%(累進課税) | 法人税約15〜23.2% | | 社会保険 | 国民健康保険+国民年金 | 健康保険+厚生年金 | | 経費の範囲 | 事業に関するもの | 役員報酬も経費にできる | | 赤字の繰越 | 3年(青色申告) | 10年 | | 社会的信用 | 低め | 高い | | 事務負担 | 少ない | 多い(決算申告、社保手続き等) | | 廃業の手間 | 廃業届1枚 | 解散・清算手続きが必要 |
法人化した方がいいケース
所得が800万円を超えた
個人事業主の所得税は累進課税で、所得が上がるほど税率も上がります。
- 所得330万円超:税率20%
- 所得695万円超:税率23%
- 所得900万円超:税率33%
一方、法人税の実効税率は約25%前後でほぼ一定です。所得が高くなるほど法人の方が税負担が軽くなります。
売上が1,000万円を超えた(消費税)
売上が1,000万円を超えると消費税の課税事業者になります。法人化すれば、設立から最大2年間は免税事業者になれる場合があります(資本金1,000万円未満の場合)。
取引先が法人を求めている
大手企業との取引では、「法人でないと発注できない」というケースがあります。法人格があることで信用度が上がり、取引の幅が広がります。
従業員を雇いたい
人を雇う場合、法人の方が社会保険や福利厚生の面で有利です。採用面でも「法人で雇用される」方が安心感があります。
個人事業主のままの方がいいケース
所得が500万円以下
所得が低いうちは、個人事業主の方が税負担が軽いです。法人化すると、赤字でも法人住民税の均等割(年間約7万円)がかかります。
一人で事業をしている
従業員を雇う予定がなく、事務処理をシンプルに保ちたいなら、個人事業主がおすすめです。法人の決算申告は個人の確定申告より格段に複雑です。
副業でやっている
本業が会社員で副業としてフリーランスをしている場合、法人化のメリットは薄いです。
法人化にかかる費用
合同会社の場合
- 登録免許税:6万円
- 定款認証:不要
- 合計:約6万円〜
株式会社の場合
- 登録免許税:15万円
- 定款認証:約5万円
- 合計:約20万円〜
さらに、法人の決算申告は税理士に依頼するのが一般的で、年間15〜30万円程度の顧問料がかかります。
法人化のタイミングを見極めるチェックリスト
以下に2つ以上当てはまるなら、法人化を具体的に検討しましょう。
- 事業所得が800万円を超えている
- 売上が1,000万円を超えそう
- 取引先から法人化を求められている
- 従業員を雇う予定がある
- 事業を長期的に続ける覚悟がある
まとめ
- 所得800万円超が法人化の一つの目安
- 法人は税率が一定、赤字繰越10年、信用度アップなどメリットが多い
- ただし設立費用・事務負担・税理士費用など固定コストも増える
- 事業の規模と将来計画を踏まえて判断しよう
個人事業主のうちからしっかり帳簿をつけて数字を把握しておくことが、法人化の判断にも役立ちます。フリーフリーで日々の経理を整えておきましょう。