損益通算とは?赤字を他の所得と相殺して税金を減らす方法
結論:損益通算とは、赤字の所得を他の黒字の所得と相殺できる制度
損益通算を使えば、ある所得で出た赤字を、別の所得の黒字と差し引きして、課税される所得を減らせます。結果として、税金が安くなります。
損益通算の具体例
会社員をしながら副業でフリーランスをしているAさんの場合:
- 給与所得:400万円(黒字)
- 事業所得:−80万円(赤字)
損益通算すると: 400万円 − 80万円 = 320万円 が課税対象
損益通算しない場合、給与所得400万円に課税されるので、80万円分の税金が余計にかかります。税率20%なら約16万円の節税になります。
損益通算できる所得の種類
損益通算ができるのは、以下の4種類の所得の赤字だけです。
- 事業所得:フリーランスの本業収入
- 不動産所得:賃貸収入
- 山林所得:山林の伐採・譲渡
- 譲渡所得:資産の売却(一部除外あり)
覚え方は「ふじさんじょう(不・事・山・譲)」です。
損益通算できない所得
以下の所得の赤字は損益通算できません。
- 雑所得:副業の小規模な収入
- 一時所得:懸賞金や保険の満期金
- 退職所得:退職金
- 配当所得:株の配当
特に注意したいのは雑所得です。副業の収入が「事業所得」ではなく「雑所得」に分類されると、赤字が出ても損益通算できません。
事業所得と雑所得の分かれ目
副業が事業所得か雑所得かは、以下の要素で判断されます。
- 継続性:1回きりではなく継続的に行っているか
- 営利性:利益を得る目的で行っているか
- 規模:ある程度の売上規模があるか
- 独立性:自分の判断で事業を行っているか
- 帳簿:帳簿をつけて管理しているか
開業届を出して帳簿をつけていれば、事業所得として認められやすくなります。
損益通算の計算順序
複数の所得がある場合、損益通算には以下の順序があります。
第1段階:同じグループ内で通算
所得は以下の4つのグループに分かれます。
- 経常所得グループ:事業所得、不動産所得、給与所得、雑所得など
- 譲渡所得グループ:総合課税の譲渡所得
- 一時所得グループ:一時所得
- 山林所得グループ:山林所得
まず同じグループ内で赤字と黒字を相殺します。
第2段階:グループ間で通算
第1段階で相殺しきれない赤字は、他のグループの黒字と相殺します。
第3段階:それでも赤字が残ったら
青色申告者なら、残った赤字を翌年以降3年間繰り越せます(繰越控除)。
損益通算の注意点
不動産所得の土地取得の借入金利子
不動産所得の赤字のうち、土地の取得に要した借入金の利子に相当する部分は損益通算できません。建物の借入金利子はOKです。
生活用資産の譲渡損失
マイホーム以外の生活用資産(車、家具など)の売却損は損益通算できません。
株式の譲渡損失
株式の譲渡損失は、株式の譲渡所得や配当所得としか通算できません(申告分離課税)。給与所得とは通算できません。
損益通算の申告方法
確定申告書の第一表・第二表に各所得を記入するだけです。自動的に通算されます。e-Taxや確定申告書作成コーナーを使えば、計算も自動です。
まとめ
- 損益通算とは赤字と黒字を相殺して税金を減らす制度
- 対象は事業所得・不動産所得・山林所得・譲渡所得の4つ
- 雑所得の赤字は損益通算できないので、事業所得での申告が有利
- 通算しきれない赤字は、青色申告なら3年間繰り越せる
正確に損益通算するには、日頃から帳簿をきちんとつけておくことが大切です。フリーフリーなら、AIが自動仕訳するので手間なく記帳できます。