簡易課税制度選択届出書の書き方と提出期限
簡易課税は消費税の計算を大幅に簡素化できる制度
簡易課税制度を選択すると、実際の仕入税額を計算する代わりに、売上にかかる消費税に「みなし仕入率」を掛けて消費税額を算出できます。
帳簿付けの負担が軽くなり、業種によっては納税額も少なくなる可能性があります。
簡易課税を選択できる条件
- 基準期間の課税売上高が5,000万円以下であること
- 「消費税簡易課税制度選択届出書」を事前に提出していること
売上が5,000万円を超える課税期間は、届出を出していても本則課税が適用されます。
みなし仕入率一覧
| 事業区分 | 該当する事業 | みなし仕入率 | |---|---|---| | 第1種 | 卸売業 | 90% | | 第2種 | 小売業 | 80% | | 第3種 | 製造業、建設業など | 70% | | 第4種 | その他(飲食業など) | 60% | | 第5種 | サービス業、運輸通信業 | 50% | | 第6種 | 不動産業 | 40% |
フリーランスの多くは第5種(サービス業)に該当し、みなし仕入率は50%です。
提出期限
簡易課税を適用したい課税期間の前日までに届出書を提出する必要があります。
- 個人事業主:適用したい年の前年12月31日まで
- 法人:適用したい事業年度の開始日の前日まで
例: 2027年分から簡易課税にしたい場合 → 2026年12月31日までに届出
例外(新規開業・インボイス登録)
新規開業した課税期間や、インボイス登録により初めて課税事業者になった課税期間は、その課税期間中に届出を出せば、その期間から適用されます。
届出書の書き方
基本情報
- 納税地:自宅住所または事務所住所
- 氏名(法人名):本名または法人名
- 届出の適用開始課税期間:簡易課税を始めたい期間
基準期間の課税売上高
基準期間(2年前)の課税売上高を記入します。5,000万円以下であることが確認されます。
事業の種類
該当する事業区分を選択します。複数の事業を営んでいる場合は、それぞれの区分を記入します。
本則課税と簡易課税の比較
簡易課税が有利なケース
- 経費(仕入)が少ないサービス業
- 実際の仕入率がみなし仕入率より低い場合
- 経理の事務負担を減らしたい場合
本則課税が有利なケース
- 設備投資など大きな仕入がある年
- 実際の仕入率がみなし仕入率より高い場合
- 消費税の還付を受けたい場合
届出の取り消し
簡易課税の選択を取り消すには、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出します。ただし、簡易課税を選択してから2年間は変更できないという縛りがあります。
大きな設備投資の予定がある場合は、事前に本則課税に戻しておくことを検討しましょう。
消費税の計算方法の選択は節税に直結します。フリーフリーでは、本則課税と簡易課税のシミュレーション方法についても解説しています。